彼岸も過ぎ、桜便りも間近な陽気となりましたが、今、国政は重苦しい雰囲気です。自動車諸税の3月31日期限切れが現実味を帯びてきました。また、金融の番頭、日銀総裁も不在という異常事態です。日本の国会が完全に機能不全に陥り、国民に迷惑をかけている事態を憂慮せずにはおれません。返す返すも昨年夏の参院選挙の自民党大敗が悔やまれますが、ここはとにかく、野党なかんずく民主党の冷静な判断を求めたいと思います。
 ガソリン税については、3月1日の「国政が内向きになり矮小化していることを憂う」の中で申し上げましたが、このままでは4月1日から、ガソリン税は1L 25円下がり36円となります。しかし、ガソリン税は蔵出し税で、精油所を出る段階で課税されるため、油槽所やガソリンスタンドに在庫されている分(約半月の販売量)は課税済みとなっており、この分が販売された後でなければガソリンは安くなりません。タンクを空にして安いガソリンを求めるユーザーとガソリンスタンドの店員との間でトラブルが発生することが懸念されます。
 一方、各都道府県、市町村では道路特定財源を織り込んだ20年度予算案を議決している最中で、このままでは大幅な歳入欠陥となる恐れがあります。もちろん税金は安いに超したことはありませんが、1 L 36円というのは国際的に見てあまりに低すぎます。ヨーロッパ諸国を始め諸外国では環境対策として、最近、CO2を発生させるガソリンの税金が大幅に引き上げられており、(例えば英国は1 L 150円)、7月の洞爺湖サミットの議長国を務める日本に対して環境無視として国際的な批判が高まることが予想されます。
 今議論されている一般財源化議論(道路建設だけでなく何にでも使えるようにする)に対しては私は反対して参りました。そもそも宮崎のような地方はまだ道路の建設は遅れており、もし、道路整備がほぼ終わった段階では自動車諸税は一旦廃止すべきだと思います。というのは、地下鉄や電車などの大量輸送機関がなく自動車に頼らざるをえない地方は又、県民所得も低い所が多く、この税は逆進性の強い税だからです。
 日銀総裁人事についても誠に遺憾な事態です。武藤前日銀副総裁は私と大学、大蔵省の同期であり、若い時分から将来の事務次官、日銀総裁と嘱望されてきました。大蔵省で財政や金融の仕事を経験し、私と同じ時期にアメリカワシントンにも勤務するなど国際経験も豊かです。このような様々な経験を積んだ人こそ日銀総裁にふさわしく、世界の金融会議にも自信を持って送り出せる人物だと思います。民主党は財政金融分離だとか、財務省と日銀のタスキ掛けはいけないとかいろいろ反対理由を述べていますが、様々な分野を経験したベストな人を選ぶのが国会議員としての責務であると思います。日銀総裁人事に政治が口出しすることは控えるべきです。
 とにかく何でも反対して国民生活を混乱に陥れ、それを与党自民党の責任であるとして解散総選挙に追い込む戦略でしょうが、国民不在の権力闘争で成立した政権が本当に国民のことを考えてくれるとは到底思えません。
平成20年3月21日
衆議院議員  中山 成彬
 
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