拝啓 年の瀬も迫って参りましたが、お元気でお過ごしのことと思います。日頃から温かいご理解とご支援を賜り心から御礼申しあげます。昨日(19日)で臨時国会も終わり、今日は来年度予算の財務省一次内示の日です。財務省主計局に私が強く要望していた宮崎海岸保全の着工準備調査費と都井岬に通ずる国道448号線の復旧予算も無事認められてほっとしております。その他、大淀川流域の災害対策予算、瓜生野、飯田、瓜田地区の大型排水ポンプの設置も進みます。災害のない安心して暮らせる県土の建設のためにこれからも力を入れてまいります。
小泉内閣の功罪
さて、5年半続いた小泉政権から9月に安倍政権にバトンタッチされました。小泉政権の功罪はいろいろありますが、功の第一は何と言っても景気が立ち直ったことでしょう。五年前は日本発の世界金融恐慌が起こるかもしれない、日本経済の底が抜けるかも知れない状況でした。7千円台に落ち込んでいた株価も、今は1万6千円台と大幅に回復しました。今、いざなぎ景気を上回る戦後最長の景気回復が続いています。税収も嬉しい誤算(?)で予測を大幅に上回る増収になっています。しかし、日本全体を見渡すと、勝ち組負け組と言われる個人格差の顕在化、地方間の経済格差の拡大が目立っています。いじめや虐待事件の多発、種々の犯罪の増加、相次ぐ知事の逮捕等を始めとする公務員の規範意識の低下も嘆かわしい限りです。
安倍内閣の課題 ― 教育改革
新しく出発した安倍内閣は、すばやく日中韓関係の修復に成功しましたが、これからは小泉政権の負の遺産をいかに是正しながら改革を進めていくかを考えていかなければいけません。「美しい国日本」を掲げて教育再生に取り組むことを第一目標に掲げたのは、私が文部科学大臣の時提唱した教育改革を受け継ぐもので大変心強く思っています。
私は中川政調会長の下で政調副会長として政策全般に目を配る立場にあります。特に、政府の「教育再生会議」に対応して自民党内に設置された「教育再生に関する特命委員会」の委員長を命じられ、今、教育全般にわたって、学力の向上策、規範力の向上策、体力・気力の強化等、これから日本を背負って立つ子供達が充実した幸せな人生を送れるような土台作りを目標に毎週会議を開いています。又、いじめや虐待など子供をめぐる事件・事故が多発していることに対処して、「子どもを犯罪から守るプロジェクトチーム」の委員長として協議を進めて参りました。先週その中間報告をまとめ、具体的な政策提言を行いました。駆け込みで財務省に予算措置を要求しましたが、虐待についてはこれまでのように児童相談所任せでなく、警察や学校、幼稚園、保育園、NPO団体等地域の力を結集した「子どもを守る地域ネットワーク」を全市町村に配置し、常勤の職員を置くための予算が認められました。
先日、「日本の前途と歴史教育を考える議員の会」の会長就任を要請され引き受けました。引き続き日本のいわゆる自虐教育を是正する運動を続けると共に、今、アメリカで制作されようとしている誤解に基づいた南京事件を舞台とした映画作りに抗議し、また中国各地に作られている歪曲された旧日本兵による蛮行の記念館を撤去するよう中国政府に求めることを政府に要求することにしています。というのは再来年の北京オリンピックに世界中の人々が中国を訪れます。そのとき、あのような忌まわしい展示物を目にすると日本に対する印象が極端に悪くなることでしょう。更に、誤解の根源になっている平成五年のいわゆる従軍慰安婦に関する河野官房長官談話について検証し、その見直しを政府に求める事としています。
地方活生化
安倍内閣のもう一つの喫緊の課題が地域間格差を是正するための地方活性化です。今や北海道、東北、四国、九州南部等の地方は高齢化等で疲弊しており、その活性化は時間との戦いであると考えています。私は「真の地方財政の確立と地域の活性化を図る」議員連盟を立ち上げ、熊本県選出の野田毅氏を会長に、私が幹事長となって140名の議員を集め、来年度予算と税制改正について積極的な行動を展開しました。地方に働く場を作るために企業の地方立地を促進する特別償却等の税制上の優遇策や地方交付税の総額の確保、頑張る地方に対する交付税措置(三千億円)、高利の地方債を借り換えることによる公債費負担の軽減等が実現できました。来年度以降も東京都などに集まり過ぎている偏在性の高い地方法人二税の仕組みを改め、共同税化すること等を引き続き目指して参ります。
道路特定財源
今年の税制改正審議で一番問題になったのは道路特定財源の一般財源化でした。昭和29年に貧弱な日本の道路を整備するために、田中元首相らによって作られたのが揮発油税(ガソリン税)や自動車重量税などのいわゆる道路特定財源です。小泉政権下では、国の財政再建のために公共事業が毎年3%ずつ削減される中で道路予算も同様に削減されてきました。しかし、税収の方は毎年増えていますので余剰分が発生し、これを踏切などの道路関連予算や本四架橋の赤字補填に充填してきました。しかしこの補填が今年度で終わりますので、約五千億近くの財源が余ります。これを道路以外の予算にも使えるようにするのが一般財源化です。
この揮発油税などの道路諸税は道路建設を急ぐために、近年暫定的に約二倍に引き上げられています。そこでもし、野党やマスコミが言うように道路が全国的に概成しているのならば、せめてこの暫定増分を引き下げるべきです。しかし宮崎県は東九州自動車道がまだ完成していないことでも分かるように、地方の道路整備はまだまだこれからです。中央に本社をおくマスコミは、地方では不必要な道路が造られているので一般財源化が当然であり、これが安倍改革の試金石だと主張します。しかし、我々地方選出の議員は道路整備が遅れている現実を知っていますから、道路特定財源の一般財源化には大反対です。
考えなければならないのは、公共交通機関の少ない地方ほど車を使わざるをえず、地方の人は所得が低いにもかかわらず都会の人の何倍も揮発油税を払っているということです。(逆進性の強い税と言えます)。ですからこれを他の予算にも使えるように一般財源化することには引き続き反対していきます。
防衛庁の省昇格
今度の国会で、長年の懸案であった防衛庁を防衛省にする法案が通りました。国防というのは国家の第一の責務です。世界の国はどこも国防省になっていますが、日本は先の大東亜戦争による後遺症で国を守ることが何か悪いことのように論ぜられ、長い間二流官庁扱いをされてきました。しかし、昭和29年の自衛隊の発足以来、自衛官の人達は様々な差別を受ける(自衛官の子どもが学校でいじめられることも多かった)中で誠実に任務を遂行し、災害派遣などに顕著な功績を残してきました。またPKO活動やイラク派遣などに素晴らしい実績をあげ、国の内外から高い評価を受けてきました。野党の強い反対によって大変遅くなりましたが、やっと省昇格が日の目を見ることになりました。自衛隊にはこれからもしっかりと我が国の防衛に専念し、国家国民を守って欲しいと思います。
教育基本法の改正
また、教育基本法も59年ぶりに改正されました。昭和22年に制定されたこれまでの教育基本法は、日本の弱体化を図った占領軍が、例えば日本側の原案にあった「日本の伝統文化を尊重する」という文言を削除するなど日本のよき伝統文化の継承を断とうとしました。また、個人の自由と権利を強調するあまり、それに伴う義務と責任を軽視してきました。その結果が今の日本に見られる行きすぎた個人主義、自分だけがよければいいというミーズムの風潮になっています。人間は一人では生きていけません。公共の精神や道徳心の譲成も必要です。その他、家庭教育や生涯教育の条文化等いろいろありますが、「教育は不当な支配に服することなく…」という文言が「教育はこの法律及び他の法律の定めるところにより行われるべきものであり…」と改正されました。これで国旗、国歌反対などの日教組のこれまでの目に余る活動は許されないことになります。
教育基本法の審議期間中、毎日何百人という日教組の先生達が国会周辺で「戦争が出来る国にする教育基本法改悪に反対」と叫んで座り込みをしていました。職場を放棄し子ども達をほったらかしにして、この先生達は一体何を考えているのだろうと怒りを禁じ得ませんでした。教育再生会議で教員の免許更新制等が審議されていますが、子ども達の将来を大きく決定づける教師力の向上が一番大切だとつくづく考えさせられます。
知事選について
ところで来年早々(1月21日)県知事の出直し選挙が行われることとなりました。一ヶ月程前、宮崎県がマスコミを賑わしている頃、県下二十二町村の会長を務められている綾町の前田町長が議員会館に来所されました。町長は宮崎県の将来を深く心配され、「これまでの県政の混乱を払拭するには、しがらみのない清新な知事を県民は求めている。誰か中央官庁に良い人はいませんか」と言われるので、「綾町生まれの林野庁長官川村秀三郎氏がいますよ」と答えたら、「あの川村さんには農業関係の陳情でお伺いしてよく知っている。土地改良や農業経営改善の予算等を宮崎県はいっぱい付けてもらっています。」とのことでした。宮崎は農林漁業中心の県です。これから農業が大きく見直されようとしているとき、最適の候補ではないかと意見が一致したところでした。自民党宮崎県連は持永氏を推薦しましたが、川村氏は鹿児島県知事選にも出馬を要請されたこともある人物で、つくづく惜しい人物を逸したなと思います。
終わりに
諸々課題の多い昨今ですが、今年はいろいろ嬉しいニュースもありました。人によってそれぞれでしょうが、私は悠仁親王のご誕生が一番嬉しいニュースでした。スポーツでは世界野球(WBC)の日本チームの奇跡の優勝、荒川選手のイナバウアーが印象に残っています。宮崎出身の大山志保選手のゴルフ賞金女王は、両親始め、昔からよく知っているだけに嬉しかったです。横峯さくら選手とは同じ組で一つのボールを交互に打って、湯原信光プロと小泉孝太郎さん(前総理のご子息)の組に勝ったことがあり、これも嬉しかった。逆に残念なのは大相撲。外国勢に圧倒されています。稀勢の里(きせのさと)や豊真将(ほうましょう)などの若手に期待しています。プロ野球も米リーグにどんどん引っ張られていきます。彼の地での彼らの活躍には拍手を送りますが、あの桁外れの金額は一体なんでしょう。残った日本の選手達も頑張ってほしいものですね。
最後になりましたが、来年は少しでも明るいニュースが多くなることを期待し、皆様のご健康とご多幸を心からお祈り申し上げて年末のあいさつといたします。
敬具
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